「BSEの危険度はどこまでわかったかープリオンの科学最前線」
非定型BSEについて孤発性BSEの可能性が問題になっていることを本講座(第172回)でご紹介しましたが、プリオン説でノーベル賞を受賞したスタンレイ・プルシナーは以前から孤発性BSEの可能性を指摘していました。
今年の1月、NHK国際ラジオ放送でプルシナーと私の電話対談が放送されましたが、その中でも、彼は全頭検査が孤発性BSEも検出できる点を強調していました。
このプルシナーと私の対談の抜粋が、科学11月号(岩波書店)の表記の特集の中で紹介されています。この特集の内容は下記のとおりです。
「対談」
スタンレイ・プルシナー、山内一也:全頭検査こそ合理的ー手放さずそれを世界に広げるべきだ
「緊急座談会」
金子清俊、神田敏子、水澤英洋、山内一也:何が問われるべきかー私たちは米国産牛肉は食べない
「プリオンの科学」
毛利資郎:クロイツフェルトーヤコブ病とはどんな病気か
山内一也:BSE感染リスクの評価にかかわる研究の現状
片峰 茂:プリオン仮説(タンパク質単独犯説)は本当か
倉橋洋史、中村義一:酵母においてはプリオン説は証明された
横山隆、舛甚賢太郎:特定危険部位以外におけるBSEプリオンの蓄積
八谷如美、金子清俊:正常型プリオン蛋白質の機能にどこまで迫ったか
「牛肉と社会」
北林寿信:米国の肉牛生産の現状と狂牛病ー“必然”の病をくいとめるには
中嶋康博:フードシステムに再編を迫るトレーサビリティー牛肉の経験から明らかになったこと
田中敬子、坂本清彦:BSE問題に対するアメリカ世論の反応ム国際化する食品リスクを比較社会学の視点から考える
「わたしにとってのBSE」
日和佐信子:リスク分析の枠組みはうまく機能しているだろうか
河合誠義:検疫という防護壁
中川 坦:農水省は変わったか−不信からの出発