2021年10月
公益社団法人日本獣医学会理事長(代表理事)
猪熊 壽
2021年9月より久和 茂前理事長の後任として公益社団法人日本獣医学会理事長を拝命しました東京大学農学生命科学研究科・動物医療センターの猪熊 壽です。理事長として当学会の運営に携わりますことを大変光栄に存じます。
さて、2020年初頭からの世界的なCOVID-19パンデミックの影響で私たちの生活は大きな変革を余儀なくされています。COVID-19は研究教育の分野にも大きな影響を与えました。本学会最大の行事である学術集会は、これまでは年に1回、会員が一堂に介して各々の研究成果を発表し意見交換と会員同士の情報交換・交流を行う重要な場でしたが、2020・2021年と2年続けてweb開催となりました。また獣医学教育においても、緊急事態宣言下では、オンライン講義の導入や少人数での実習など、様々な工夫を重ねながら授業が実施されてきました。また、この1年半は国際交流事業もほとんど実施できないままでした。このような経験を踏まえたうえで、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の獣医学教育や研究はどうあるべきなのか。学会として、国際交流や学術集会のあり方について工夫と改善を行う必要があると考えています。
そもそも獣医学は、動物の健康と福祉への貢献だけではなく、それらを通じて人類の幸福にも貢献するための学問です。今こそ日本獣医学会の総力を挙げて、COVID-19関連研究や社会の変化に貢献できるような教育研究を行うときです。本学会として何ができるのか、市民の方への情報提供や広報戦略を含めて改めて考えてまいりたいと思います。
本学会は2012年に公益社団法人に認定され、今期でちょうど10年目にあたります。今後、公益社団法人としていっそうの公平性と透明性を有し、社会から信用のある組織となることを目指し、引き続き本学会の体制を整備していきたいと思います。今後の学会運営にあたりまして、会員の皆様およびご関係の皆様のご理解、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。